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Vol.9 --- リンゴのエステ

 フランスで「リンゴの産地」といえば、フランス北部のノルマンディ地方。ノルマンディ地方の風光明媚な港町オンフルールにあるホテルでは、リンゴを使ったエステを受けられる。

ラ・フェルム・サン=シメオン

 「ラ・フェルム・サン=シメオン」は、19世紀には、モネやブーダンら印象派の画家たちが集った宿屋。庭にはリンゴの木が植えられ、かつて画家たちはこの木の下に集ってシードルを飲みながら絵を描いたりおしゃべりを楽しんだそうだ。今では、ラグジュアリーなホテルレストランになっていて、世界中から宿泊客が訪れる。レストランでは、定番リンゴ菓子タルト・タタンや、リンゴのブランデー、カルヴァドスなど楽しめるが、ホテルのスパでは、牛乳やリンゴといった、ノルマンディ地方の特産を使ったエステを受けられる。

ラ・フェルム・サン=シメオン

 リンゴエステは、アンチエイジングにつながる坑酸化効能を生かしたプログラム。
 リンゴ果汁とハチミツとエッセンシャルオイルをブレンドして作った、オリジナルのBIOオイルが利用される。
 顔エステは、このオイルを使ったマッサージ。血行をよくし、肌に輝きを与えてくれる。

オイルを使ったマッサージ

 体エステも、オイルマッサージだが、丸ごとのリンゴを使って指圧をするのが特徴。筋肉痛に効果があり、もちろん血行も促進される。

丸ごとのリンゴを使って指圧をする

 いいホテルにはいいスパがあるケースが多いフランス。
 地方のホテルは特に、郷土性を意識したエステプログラムを用意しているところが多いが、ここはまさにその典型だ。
 食べておいしいだけでないリンゴの魅力を満喫できるスパだ。

ホテル ラ・フェルム・サン=シメオン
ホテル ラ・フェルム・サン=シメオン
http://www.fermesaintsimeon.fr/UK/index.html

(2013/8/24)

加納 雪乃
Yukino Kano

神奈川県出身 パリ在住。
専門はフランスの食文化、バレエ。
サラリーマン時代に、95~97年、パリ事務所の駐在員として初めてフランスに滞在。 フランスの食文化の魅力に感動し、その魅力を広く伝えたいと思うようになり、帰国後しばらくしてから退社。 改めて自分で渡仏し、2000年からライターとして活躍している。
著書:「パリオペラ座バレエと街歩き」「パリ スウィーツの話」(ともに集英社 be文庫にて発売中)

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