Vol.18 --- オンフルールのリンゴ土産
フランス北部、英仏海峡に面したノルマンディ地方は、フランス有数のリンゴ産地。食用種に加えて、シードルなどの加工用リンゴの栽培も盛んです。
そんなノルマンディ地方を代表する観光地が、オンフルール。パリのシンボル的存在セーヌ川の河口に位置する街であり、セーヌ川沿いの町々を描くのを好んだ19世紀の印象派画家たちも多く集った街です。今ではフランス10指に入る人気観光地で、ハイシーズンの夏ともなると、ノルマンディ地方の伝統建築が残る小さな道はどこも、世界中からやってくる人々で溢れかえり大きな賑わいを見せています。
観光地の土産店を覗けばその土地の特産品がわかるのは、日本もフランスも一緒。そしてオンフルールの土産店を回ってみると、この地方が誇る乳製品を使ったチーズやキャラメルなどとともに、実に多くのリンゴ関連商品が目に飛び込んできます。
筆頭はもちろんシードル。超甘口、甘口、ほんのり甘口、辛口と、いろいろな種類の味が揃い、生産者も多々。街中のクレープリー(クレープ専門店)のドリンクリストにも数種類のシードルが取り揃えられ、中には、瓶ではなく樽からピッチャーに注いで提供してくれる店もあります。
リンゴのブランデーであるカルヴァドスはお土産として一番喜ばれる商品で、カルヴァドスにリンゴジュースを加えた甘口のお酒ポモーは、アペリティフに大人気です。また、カルヴァドスを使った珍しいリキュールもあり、シャンパーニュに少量混ぜればリンゴの魅力が香るカクテルを手軽に楽しめます。
さらに、シードルのヴィネガーを香らせたマスタードや、カルヴァドスを隠し味にした肉のパテ、牛肉のシードル煮込み、リンゴのゼリーなど、パリではなかなか見られない、産地ならではのリンゴ関連商品が見つかるのも魅力的です。
オンフルール土産として大人気の、様々なリンゴの美味。リンゴをテーマにこの街を訪れてみるのはいかがですか?
(2017/1/24)