Vol.26 --- りんごのガトー・アンヴィジブル~パリのレシピ本から~
Gateau invisible(ガトー・アンヴィジブル)というお菓子をご存知ですか?
直訳すると“見えないお菓子”。りんごを始めとするいろいろな果物を極薄にスライスし、ほんの少々の生地と和えてから型に入れて焼いたもの。
生地は、クレープ生地のように水分多め。かつ普通のパウンドケーキなどと比べて量も少ないので、加熱時に生地が果物に吸収され、出来上がった時には、生地が“見えない”お菓子になるのです。
フルーツたっぷり生地少々なので、とてもヘルシー。レストランやパティスリーではほとんど見かけませんが、数年前にお菓子レシピのブログで注目されたのがきっかけのようで、家庭で簡単に作れて、罪悪感なしにおいしく食べられるお菓子として、レシピ本もいくつも出ています。
レシピ本には、果物だけでなく、にんじんやじゃがいも、ズッキーニなど野菜を使った塩味ヴァージョンも一緒に紹介されていることが多いようです。
本屋さんのお菓子コーナーで見つけた、ガトー・アンヴィジブルのレシピ本。定番、りんごを使ったガトー・アンヴィジブルがたくさん紹介されています。
ヴァニラとシナモンを香らせたもの。イチゴと組み合わせてバジルをアクセントにしたもの。ブルーベリー&ライムとの組み合わせ。桃と合わせてライムをあしらったもの。青りんご&シードル風味、、。
写真を見ているだけでどれも食べたくなってしまいますが、一番簡単で定番の、ヴァニラ&シナモン風味のりんごのガトー・アンヴィジブルのレシピを、日本語に訳してみましょう。
りんご(レイネット、ロワイヤル・ガラなど甘みがあり香り高い品種) | 900g |
卵 | 2個 |
グラニュー糖 | 50g |
有塩バター | 25g |
牛乳 | 100cc |
ヴァニラパウダー | 小さじ1(ヴァニラエッセンス少々でも) |
シナモンパウダー | 小さじ1 |
小麦粉 | 75g |
ベーキングパウダー | 10g |
型用のバターと褐色砂糖(なければグラニュー糖) | 少々 |
❶オーブンを180度に温める。
❷卵とグラニュー糖を合わせて白っぽくなるまで泡立て器で撹拌する。
溶かしておいたバター、牛乳、ヴァニラ、シナモン、ベーキングパウダーを加え混ぜる。
ふるっておいた小麦粉を加え、均一になるよう混ぜる。
❸りんごの皮をむき、4つ割りにし、スライサーで極薄にする。
りんごを生地に混ぜる。酸化しないよう手早く行う。
❹型の内側にバターをたっぷり塗り、褐色砂糖をふりかける。型をゆすり、余分な砂糖を落とす。
生地を型に入れる。
40〜50分間加熱する。表面が焦げるようならアルミ箔をかぶせる。
冷めてから型を抜く。
型は小さめ(最大20cm)の方が、生地が果物にしっかりしみる。
りんごの薄さは均一に。包丁でなくスライサーがベスト。
生地が少ないため崩れやすいお菓子なので、しっかり冷ましてから型抜きする。
当日より翌日がさらにおいしい。
ボナペティ(召し上がれ)!
(2020/3/5)