りんごポリフェノールで健康に美しく!
風邪をひいた時にリンゴのすりおろしを食べたことのある方は、多いのではないでしょうか。「風邪にはりんご」「1日1個のりんごは医者いらず」と言われるほど、りんごには健康維持に効果的な栄養成分が豊富に含まれています。その代表的な成分がポリフェノールです。
ポリフェノールとは、機能性成分(フィトケミカル)の一種です。野菜や果物などの主に植物性食品に備わっている成分で、色や香り、苦み、辛み、灰汁などの成分のことです。栄養素ではないため、生きていくために必須ではありませんが、健康を維持したり、病気の予防効果が期待されていたり、健康や美容に貢献する働きがあります。
アントシアニン、カテキン、ショウガオールという成分を聞いたことがありますか?これらは全てポリフェノールです。植物に存在している色素や苦味を作り出している成分で、自然界に5,000種類以上あるともいわれています。りんごには、プロシアニジン類、フェノールカルボン酸類、カテキン類等の様々なポリフェノールが含まれており(総称をリンゴポリフェノールと呼びます)、その約6割を占めているのは「プロシアニジン類」です。
プロシアニジンは、健康や美容に嬉しい様々な効果が期待されています。特筆すべきは抗酸化作用です。その抗酸化力は、ビタミンCやカテキンよりも強力なものです。肌老化や動脈硬化等の一因となる活性酸素を除去する働きがあるため、老化予防や生活習慣病予防の効果が期待できます。メラニンの生成を抑制し、シミの発生を抑えて美白効果をもたらす可能性もあるため、抗酸化作用との相乗効果で、美肌作りにも役立ちます。
また、ダイエット中の方、必見の働きが、脂肪の吸収を抑制する効果が期待されていることです。食前にいただくことで、脂質の消化酵素の活性が抑制されることで、脂質の吸収を抑える効果が期待されています。また、血中コレステロール値や中性脂肪が低下する働きもあるとの報告もあります。その他にも、アレルギーの改善、血糖値上昇の抑制、血流の改善等、様々な健康効果が期待されています。
ポリフェノールを効果的に取り入れるためには、食べ方も工夫しましょう。りんごを切ったり、すりおろしたりすると、茶色く変色するのは、ポリフェノールの働きによるもので、ポリフェノールと空気中の酸素が結びつくことで起こる現象です。茶色くなる(酸化する)ことで、抗酸化力の一部を使ってしまったことになるため、出来るだけ茶色く変色させないように食べることが大切です。切ったらすぐに食べたり、時間をおいて食べるときは、レモン汁や薄い塩水で処理するようにしましょう。プロシアニジンは果肉にも含まれていますが、アントシアニンは皮に含まれているため、皮ごと食べるのがお勧めです。ポリフェノールは熱に弱い性質があるため、生で食べるようにしましょう。また、体内にとどまっている時間が短いので、食後にオヤツにと、こまめに食べて、健康と美しさを手に入れましょう!
2023/10/31
篠原 絵里佳
野菜ソムリエプロ、管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士。
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験と抗加齢医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、分かりやすく発信することを得意とする。医療機関で食事カウンセリングをする傍ら、全国での講演会、セミナー講師、コラム執筆、テレビ・ラジオ・雑誌などのメディア対応、書籍の監修等、幅広く活動中。
●ホームページ http://ericashinohara.com
●ブログ https://ameblo.jp/erica-dietitian/
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