りんごを料理に!

前回ご紹介した『ちょうみりんご』(りんごとみりんで作る加工品)は、生姜焼きやみそ炒め、煮物などに甘みを加えるときの砂糖やみりんの代用として使う調味料としておすすめしました。りんごが持つさわやかな酸味と甘みが料理を美味しく仕上げてくれます。

「果物を料理に」ということで、今回は一歩踏み出して、りんごそのものを料理に入れた2メニューをご紹介します。りんごが食材の一つとして料理の中で主張するので、少し勇気がいりますが、ポイントとなる「切り方」を踏まえれば、とても食べやすく仕上がります。

まずは、りんごを生のまま使うサラダからご紹介しましょう。りんごと水菜を合わせたサラダのご提案です。
水菜といえば、シャキッとした歯ごたえが特徴ですが、一方で味や香りを主張しないため、他の食材と合わせやすいという側面を持っています。ここで、このサラダのポイントとなるのがりんごの切り方です。りんごは乱切りやいちょう切りにすると食べたときに主張が強過ぎ、サラダとしての一体感が生まれにくくなりますので、水菜になじむよう、せん切りにします。さらに、和えることでより味の一体感が増します。仕上げに炒って砕いたクルミをふったら出来上がりです。りんごのシャキッとした食感が水菜と合わさり、りんごの甘みと酸味が全体をまとめ、クルミが香ばしさをプラスしてくれます。

「りんごと水菜のサラダ」(分量はお好みで調整ください)
①水菜は3㎝幅に切る。
②りんごの芯を除き、せん切りにする。
③ボウルに、塩、こしょう、酢、オイル(ここでは太白ごま油を使用)を混ぜ※、①と②を加えて和える。※市販のフレンチドレッシングで代用可
④器に盛り、炒って砕いたクルミをふる。

りんごと水菜のサラダ

りんごと水菜のサラダ

続いてご提案するのはスパイスカレーです。
「りんごとはちみつ~♪」と昔から歌われるように、カレーには、スパイスの裏にさまざまな甘みやコクを出す隠し味が使われ、これらが美味しさにつながっています。ルーを使わないスパイスカレーも同様で、りんごがとても良いアクセントになります。りんごはすりおろしたり刻んだりせず、野菜と同じ大きさに切ります。ここでは、じゃがいも、ズッキーニなどと合わせ、1.5㎝程度の角切りにします。スパイスは、ターメリックやクミン、コリアンダー、ガラムマサラなど、比較的容易に入手できるもので大丈夫です。


「りんごのスパイスカレー」(分量はお好みで調整ください)
①フライパンでオイル(ここではココナッツオイルを使用)を中火で熱し、みじん切りした玉ねぎを焦げ目がつくまで炒める。
②みじん切りにしたにんにくとしょうが、スパイス(ターメリック、クミン、コリアンダー、ガラムマサラ等)を加えて、すばやくかき混ぜ、さらに約1分間炒める。
③角切りにしたりんごとお好みの野菜(今回はじゃがいも、ズッキーニ)を加えてスパイスをまぶすように約2分炒める。
④ココナッツミルク、水、隠し味にピーナッツバターを追加し、強火にしていったん沸騰させ、約15分煮て、塩、こしょうで味を調える。

りんごのスパイスカレー

りんごのスパイスカレー

写真のようにりんごが顔を出しているので、もはや隠し味ではありませんね。りんごは、炒めることで酸味が甘みへと変化していくので、スパイスの裏で味に深みを増してくれます。肉類を入れてませんが、もちろんチキンやマトンなどを入れてもおすすめです。ちなみに、青森県ではご当地カレーとして知られる「りんごカレー」があり、カレーにりんごは当たり前? という方もいらっしゃることと思いますが、ぜひスパイスカレーもお試しいただければ幸いです。

いかがだったでしょうか? 私の「果物を料理に」の旅はまだまだ続きます。

2022/8/5

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