会津宏樹の
りんご高密植栽培日記

異常
2022.5.28

今年の冬は異常でした。
そう、積雪。
園地では120センチまで積もりました。

もみがらくん炭を撒きましたが、
雪が溶ける時に一緒に枝が持っていかれて、下枝が若干なくなりました。
しかし、しっかり対策することで、苗木の状態であれば
このくらいの積雪でも大丈夫だと感じました。
そのくらいの軽微な枝折れです。
もみがらくん炭って、すごく薄く撒いちゃったなー
くらいで良いんですね。
最初に塊になるくらい撒いてたら、
そこだけ雪が残っていました(笑)

積雪が多いとねずみに樹皮をかじられる被害が増えるそうですが、
うちでは一本もなく済みました。
隣のわい化のシナGは5本食われましたが(怒)
ねずみ対策では、夏から秋にかけてねずみの巣穴を作らせないことが
最も重要だと思います。
ねずみの密度は急には減らせないため、
3年程前から徹底して予定していた部分を草刈りしていました。
他の丸葉栽培の園地ではねずみの穴だらけですが(笑)

今年は植えた初年度だったからか、凍害はありませんでした。
今年からは結実させるので、実らせ過ぎると凍害に合うリスクが高まるのだと思います。

ねずみ対策に付けた金網ですが、雪が溶けていく時に下がってしまい、
この時に皮が削れるという被害が出た方もいらっしゃいました。
これはうちも一本だけありましたが、薄皮だけ削れたような状態だったので大丈夫です。

一本だけ、発芽が遅いのがありました。
よく見ると根元の方で切れてる…。
色々考えて思い出しました。
そういえば秋に草刈りのために刈払い機で刈った時に、
なんか切った気もする…。
下からM9の台木の芽が出ていますが、枯れたりした場合は植え替えた方が早い気がします。

こうなっても良いように、苗木は自分のところで作れるようになればと思いました。
もちろん種苗法があるので、そこは守らなければなりませんが。
過去に視察で行った長野の農家さんは、毎年100本近く作っていて、
モンパ病で枯れたり、ネズミの被害があることを見越して、
植え替えをしていました。
高密植栽培では、余裕があれば台木の繁殖とフェザー苗作りも
セットでやる方が良いと思っています。
凍害、ねずみ、雪害、フラン病と、リスクは多いです。
苗木作りのノウハウを持つことは大切なのではないのでしょうか。
もちろん苗木屋さんから購入すると、その手間は省けるので良いのですが、
今苗木屋さんでも高密植のフェザー苗は足りないそうです。
苗木を生産するという選択肢もあって良いと思います。

というわけで、久しぶりに丸葉の苗木作りから(笑)
今年はなんと9割成功しています!!
某協会青年部で苗木を作った時、驚異の成功率7%を叩き出した板柳班でしたが、
未だに信じられん…(笑)
苗木を作って大苗移植をたまにするのですが、
8年くらい経ってから移植すると、
根っこが切れ過ぎてフラン病になるリスクが高くなるそうです。
4~5年くらいで移植した方が良いみたいです。
丸葉の4~5年苗でも相当大きいですからね!結構大変です。
8年苗は、もはや苗木じゃないですよね(笑)
これから農作業も本格化しますが、安全第一で頑張りましょう!

PROFILE
会津宏樹のプロフィール

板柳町のりんご農家(アルファーム)。

22歳の時に祖父の跡を継いで70aのりんご畑からスタートし、現在2.4ha。

全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)63代目会長、
農水省の働き方改革委員や西北五地域活性化委員も務める。

4Hクラブの研修で長野県に行った時に、高密植栽培を見て興味を持つ。

現在農業に興味のある県外の大学生のファームステイを受け入れており、
りんごの現場を体験させたり、青森を知ってもらう活動をしている。

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