りんご高密植栽培日記
大変
2021.10.22
最近知り合いの農家さんから、
「高密植やってるんでしょ!?」
「高密植ってお金掛かるでしょ?」
「高密植って大変じゃない?」
とか声を掛けられます。
先日点滴チューブを回収しようとした時に
ぎっくり腰になったこと以外は、
今のところ大変なことはありません(笑)
うちの高密植ですが、通路4m×樹間1mで4列、合計160本植えています。
今のところですが、枯れてしまった木は一本もありません。
植えて1ヶ月近く経っても発芽しなかったものもありましたが、
樹勢の強弱はあるものの、今ではすべて発芽しています。
植え方ですが、ネズミ避けのための金網で根っこをガードして、
金網ごと苗木を植えています。
植える時は、160本で丸2日掛かりました。
植える前にトラクターで土を結構細かく砕くことをオススメします。
植える時、土を手で砕いたりする手間が省けますので(笑)
金網を付ける手間はあるものの、
慣れてしまえばそれほど大変だと思いませんでした。
1年目の主な作業は枝の誘引と冠水です。
これが普通の丸葉栽培とは大きく違います。
ですが、自分は丸葉の苗木のつがる、きおう、トキなどの品種を育てていますが、
実り始めるまでは枝を誘引しています。
それを考えると、丸葉と言えど苗木の育成に
時間は結構掛かけてるんだよなーと思ってしまいます。
わい化栽培は摘心やE型を掛けたりなど、同じように意外と時間を掛けますよね。
しかも同じく忙しい摘果の時期に。
2年目、3年目になると高密植の苗木の誘引も3m辺りになって大変になるのかな??
とも思いますが、それは今後わかることでしょう。
ちなみにうちには高所作業車はまだありません。
冠水ですが、弘果物流さんにお願いして、とっても安い点滴チューブを購入しました。
密植の園地にタンクを置き、そのタンクに水を入れて、
繋いだ点滴チューブから水を流すという単純な冠水です。
約2時間で500リットルの冠水が出来ました。
摘果を終えた夕方の良い仕事です。
連日30度越えの時は週4で冠水していましたが、
おかげで樹勢が元々良いものはかなり枝が伸びてしまい、
今後の苗木の生長が吉と出るか凶と出るか楽しみと恐怖が入り混じっています。
しかし、安い点滴チューブだと、金網に引っかかってそこから水漏れをしていたり、
アライグマなどの野生動物のイタズラで破れたりというのもあったので、
お金を掛けられる方は最初から良い設備でやっても良いかもしれません。
それでもスピードスプレヤーでやるよりは、この点滴チューブの方が楽だと思います。
点滴チューブは約15000円ほど掛かりました。
さらにその他タンクやホース、塩ビ管なども必要です。
細々とお金が財布から飛んで行くのは確実です。
植える時間や冠水に掛かる費用など、数字を知ると計画が立てやすくなると思います。
失敗する原因は、大体「情報不足」だと林修先生がおっしゃっていました。
自分も過去に失敗してきたあれこれを思い出すと、
情報不足だったなーと思うことしかありません。
自分はいろんなことにチャレンジして、数多く失敗するタイプだと思っています。
頭の回転が速くて器用な人間ではありません。
しかし、失敗はただの結果です。
そこからどうして行くのかが大事だと自分は思っています。
ある程度情報を集めたら、やってみる。
失敗しても当たり前くらいの気持ちでやると、
こういう新しいことにもチャレンジできると思います。
失敗して人に迷惑掛かることもあるだろうけど、
人間生まれた時からいろんな人に迷惑かけて、死ぬときも迷惑かけるんです。
今更ッスよ。
もしもやろうかどうか悩んでいる人がいるならば、
FBやインスタのDMでもいいので声をかけてください!
優秀な知り合い達を紹介します(笑)
PROFILE
会津宏樹のプロフィール
板柳町のりんご農家(アルファーム)。
22歳の時に祖父の跡を継いで70aのりんご畑からスタートし、現在2.4ha。
全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)63代目会長、
農水省の働き方改革委員や西北五地域活性化委員も務める。
4Hクラブの研修で長野県に行った時に、高密植栽培を見て興味を持つ。
現在農業に興味のある県外の大学生のファームステイを受け入れており、
りんごの現場を体験させたり、青森を知ってもらう活動をしている。