りんごの効用「モーロりんご療法」
1927年、ドイツの科学者モーロは、ドイツの医学雑誌に「モーロのりんご2日療法」を発表しました。
◯「モーロのりんご2日療法」とは?
◯「タンニン」「ペクチン」「食物繊維」
当時モーロは、すりおろしたりんごが腸に対して清浄作用をもち、りんごの成分の1つであるタンニン酸の鎮静作用が医学的な治療効果をあげていると考えていましたが、その後の科学者たちの研究から、「タンニン」「ペクチン」「食物繊維」による効果であることがわかってきました。
「タンニン」は、腸粘膜のタンパク質と結合して被膜を作る。これにより炎症を起こした粘膜への刺激を和らげます。また粘膜からの分泌を抑える働きがあります。
「ペクチン」は腸内の状態を正常に戻そうとする働きや、毒に対する吸着力、毒を排出しようとする作用があります。また、ただれた腸管の内側にある繊毛を包み込み、刺激から繊毛を守ります。
「食物繊維」は、ビフィズス菌を増加させる働きがあります。
赤痢の症状である発熱は、赤痢菌が大腸の炎症を引き起こすために発症します。
りんごの「ペクチン」は、腸内でゼリー状になって腸壁を保護するので炎症が抑えられ熱が下がり、また「食物繊維」は乳酸菌などの繁殖を促進させ、腸の働きを整えてくれることから、下痢も止まったと考えられます。
◯すりおろしたりんご
皆さんも、小さい頃に風邪をひいたりお腹をこわしたりしたとき、すりおろしたりんごを食べさせられませんでしたか??
風邪をひいて熱っぽくなった体はあまり食べ物を受け付けないのですが、すりおろしたりんごだけは別でした。
するすると体に入っていくりんごは、熱を和らげてくれたような、そんな記憶があります。
昔から「りんごを食べれば医者いらず」と言われたように、確かにりんごにはそのような力があるのでしょう。
それを実証したのがこの『モーロりんご療法』なのです。
さらに、りんごに含まれる「リンゴ酸」、「クエン酸」には、炎症を抑える作用や疲労回復効果があるので、風邪をひいたときにはすりおろしりんごが効果的です。また熱による喉の乾きをいやすのにも有効です。
胃酸が少ない時には胃酸を増やし、逆に胃酸が多い時には胃酸を中和する働きがありますので、食べすぎ・飲みすぎにもおすすめです。
りんごをすりおろすことで、より胃腸に負担が少なく、早い効果が期待できます。
現在では、りんごが貧血や高血圧予防に効果があることや、ビタミンCや食物繊維が豊富なことなどもわかっていますが、昔からちゃんと食生活に取り入れられていたんですね!
小さな子どものおなかの調子が悪いときには、ぜひすりおろしりんごを!
もちろん大人にも効き目があります。
また、離乳食としてもオススメです。