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[苗木パート1]苗木屋さんのお仕事って何でしょう?
みなさま、りんごの苗木をご存知ですか?
りんごは、種子で増やすことはできないので、今までは接ぎ木だけで増やしてきました。
その小さな接ぎ木から、大きな苗木に育てるお仕事を、苗木屋さんはしています。
今回は、青森県平川市の石沢苗木園さまにて、苗木のことを教えていただきました。
苗木屋さんの1年
1年を通して台木を作ったり、苗木のお手入れが基本で、実際に苗木を販売されるのは、ほんの数ヶ月です。
まず、1月から3月は台木作りをします。接ぎ木という作業を行うのですが、詳しくはまた後日お伝えします。
そして、春(4月~5月中旬)と秋(11月)に販売するのですが、現在は春に購入される方が約9割にものぼるそうです。というのも、秋に買うと「ねずみ」や「雪」の被害が出やすくなったりと、苗木がダメになってしまうことが多くあり、敬遠されるようになりました。そこで、秋に欲しい苗木を注文し、春に買い畑に植えるという農家の方が多くなったのです。
11月頃になると、冬を越す準備に取り掛かります。1本の苗木を10本の束にして、雪に強くなるようにします(下記写真参照のこと)。1本だと弱い苗木も、10本まとめることにより、雪囲いのような効果もでますし、そのまま販売することも可能で便利です。
また、年末は「全ての苗木を掘り出し終わらないとお正月はむかえられない!」そうで、ぎりぎりまで苗木を掘っていることも多いとのことです。
現在の畑の様子(11月中旬)
現在(11月中旬)は、苗木のお手入れや、苗木の掘り出し作業をしています。
「よく育っている苗木は販売して、育ちきれていない苗木は、今年育て始めた接ぎ木の部分から、また育て直す」とのことで、1本1本の苗木の状態を確認し、丹精こめて育てていらっしゃいました。
苗木をよく見ると、枝も葉も元気いっぱいです。
植える角度などにも気をつけているそうで、すくっと伸びる苗木は気持ちよさそうにたたずんでいます。
苗木畑からは岩木山が一望でき、解放感あふれるこの場所で育てられた苗木たちは、のびのびと育ち幸せそうでした。
まとめ
苗木を育てはじめてから、りんごを収穫するまでに、どのくらいの時間を必要とするのでしょうか?
お話しをうかがったところ、なんと「5~6年(矮化は3~4年)」ほども、かかってしまうのだそうです。
この長い長い時間のなかには、苗木屋さんのように、みなさまの見えないところで、りんごに携わっている方もいらっしゃいます。
たくさんの人の手をかけてもらった「青森りんご」が美味しいのも納得ですね!
次回は、台木(接ぎ木、矮化)についてのお話しを予定しております。
引き続き、よろしくお願いいたします。