vol.6 りんご酵母の強力パワー
今年のノーベル生理学医学賞は、日本の大村智教授が受賞されました。「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」と謙遜しながらお話をされていた姿が印象的でしたね。生活における身近な存在として、パンの発酵などに使われる「酵母」も自然界に広く存在している微生物の一種です。酵母は糖質を分解して炭酸ガスを出す作用を持っているため、この炭酸ガスを利用してパン生地を膨らませるわけです。酵母が多く含まれている食品には、味噌や納豆、チーズなどがありますが、とりわけ果物の中では「りんご」にたくさん含まれているのをご存知でしょうか?
りんご天然酵母には、血糖値の抑制や便秘予防、免疫力の向上や動脈硬化の予防など、強力パワーが詰まっています。今や2人に一人は生涯、何らかのガンにかかると言われていますが、酵母にはマクロファージやナチュラルキラー細胞のはたらきを活性させる「β-D-グルカン」が含まれています。β-D-グルカンはきのこ類にも含まれ、免疫力の向上やガン予防に効果があるとして注目されている成分です。今はりんごの旬の時期ですので、生食で食べるのが一番ですが、りんご酵母もご家庭で簡単に作れるのでトライしてみて下さい。
<りんご酵母液のつくり方>
- りんごは水洗いして表面の汚れを落とす。
- 皮や芯はそのままにして、適当な大きさに切る。
- 煮沸消毒した容器に洗ったりんごを入れ、水を容器いっぱいに満たす。
- 24時間ほど経過すると水の色が白濁してくる。
- 日に何度か容器を振り、蓋を外して外気に触れさせる。
- 4日ほどで気泡が湧き上がり、りんご酵母液が完成する。
酵母には特にたんぱく質・ビタミンB群・葉酸・ビタミンD・ミネラル・アミノ酸・酵素が多く含まれており、サプリメントを摂取するよりも容易にこれらを体内にとり入れることが可能です。ただし酵母は熱に弱いので、酵母の効能を得たい場合には、なるべく加熱せずに食べるようにしましょう。りんご酵母液はそのままでも美味しくいただけますが、ジュースで割ると飲みやすいですよ。ぜひお試し下さいね。
(2015/11/24)