第87号 シビックのりんご祭り 2018
9月29日(土)、30日(日)の2日間、恒例のシビックりんご祭り(Kivik Äpplemarkanaden)が南東海岸のシビックの町で行われました。今年は家内と小旅行も兼ね、1泊2日で両日訪れて来ました。昨年はりんご祭り30周年記念と盛大に行われた様ですが、今年も両日には沢山の人で賑わっていました。入場料は大人120クローナ(約1,450円)で、両日使用できるので、キャラバンカー等で泊まり込みで訪れる人も多く、町外れの駐車場には沢山のキャラバンカーが並んでいました。天気も土曜日は少し曇りがちでしたが、日曜日は天気も良くなり、気温も20度弱で、とても過ごしやすい2日間でした。
入り口から真っ直ぐ海岸へと進んで行くと、その広場には恒例の巨大なりんごの壁画が飾られていました。壁画の開幕式は初日29日の11時、残念ながら我々は間に合わず、昼頃到着しました。今年の画名は、「りんご国の中心(心臓)」(Hjärtat i Äppelriket)。壁画を見てもちょっと例年とは異なり、抽象的な感じで解釈しにくいのですが、画家はエンマ・カープ・ルンドさん、今回で18回目の作品です。彼女の説明では、壁画のモチーフは、シビック近辺の国定公園から得たと記されていました。使用されたりんごの数は約4万個、12種類のりんごが使用されたとも説明されていました。土曜日は初日とあって、翌日曜日よりは混んでいました。会場の多くの屋台も人々で賑わっていました。屋台はりんごをモチーフにした絵画、人形、また瀬戸物等と共に、ジャム、お菓子、チーズ、ハム、うなぎの燻製等と食べ物も目立ち、家内は早速チーズを試食、購入しました。
昼過ぎお腹も空いてきたので、広場近くの大型テントのレストランへ。今年は牡蠣のパエジャ(スペイン料理)もあったのですが、昼食は結局いつもの様に、ニシンの唐揚げとマッシュポテトを注文し、祭りの食事を楽しみました。牡蠣は近年スウェーデン西海岸でも取れるとも聞いていたので、レストランの係りの人に牡蠣は何処から来ているのかと聞いてみたらフランスからとの事でした。生牡蠣を早速4個注文し食べてみたら、とても美味しく、ずーっと昔に青森出身の父と、フランスとイギリス間のドーバー海峡の近くで、フランスの海岸通りの小さい町のレストランで生牡蠣を一緒に食べたのを思い出しました。家内は生牡蠣はあまり好まないのですが、長女が好きで早速写真を撮り送った様でした。残念ながら当日は車で来ていたので、ビールは飲まず海の幸を味わいました。祭りの会場から駐車場への帰り道、途中でりんごジャム入りのドーナツを買い食べながら、駐車場へと、更に20キロ程離れた隣町のホテルへと車を走らせました。
翌日曜日の昼には近隣の町から音楽隊が参加して、壁画の前で楽隊の生演奏、更に祭りを盛り上げていました。壁画のある広場の南側にはステージが設けられているのですが、そちらは家族、子供向けのポピュラー音楽が中心で、音楽隊とは異なり1−2時間おきに歌手、グループが交代で生演奏し、沢山の観客で賑わっていました。
シビックりんご祭りより2週間程前の日曜日、西海岸のカットヴィクへ今年もりんご狩りに行って来ました。今年のキロ当たりの値段は12クローナ(約145円)、数年前より少し値段が上がっていました。りんご狩りは9月いっぱい毎週週末の土、日のオープンで、今年もバケツ、袋を持った沢山の人々で賑わっていました。今年の夏は猛暑だったからか、りんごの木には沢山の実が生っていて、枝が折れるのではとも思わせる程でした。果樹園経営者のヘンリックソンさん(おばさん)に、「今年のりんごは豊作だけど、小粒だね…」と伺ってみたら、この夏は暑過ぎて、りんごのもぎ取り、品分けもしなかったので、量は多いけど、小粒だとの事でした。また、りんごの木々は樹齢約60年との事で、伐採、新樹を植えるつもりだったけど、まだ沢山のりんごが生るのでそのままにしているとの事でした。微笑んでいるおばさんの顔に、もしかしたらりんごの木と同じ年齢ではとも思いました。
2018年10月18日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰