第64号 テーボードゥでくつろぎの時間
まだ肌寒い2月の下旬、マルカリド市中心部から車で15分程の林の中にあるカフェ、テーボードゥ(Tebod)へ行ってきました。当日は週日で訪問者もほとんど無く、ゆっくりカフェでくつろぎました。
テーボードゥと親しまれていますが、本名はストックフルトガーデンステーボードゥ(Stockhultgardenstebod)と長く、土地の名前から来ています。日本でも田舎のそば屋さんが親しまれ、休日等家族連れでドライブを兼ね訪れるように当地でもテーボードゥはちょっとしたドライブ、息抜きと喜ばれています。建物は赤い色、スウェーデン独特の銅色で多くの家、別荘の色でいかにも北欧の森に合います。建物は1856年建てなので既に150年以上の歴史があります。そして田舎では何処でも見られそうな、2階建ての一般住宅です。1階は種々のティーの販売と共に、急須、茶碗、ローソクやテーブルクロス等が販売されていて、また日本の瀬戸物や南部鉄瓶も売られていました。2階がカフェになっていて、2部屋とトイレがあり、1階で注文した飲み物、食べ物を2階でゆっくり味わいます。
現在の経営者はデンマーク人カップルの、スベン、カリンさん。今回の訪問では旦那さんのスベンさんが応対してくれました。週日の午後とあって、当日は訪問者もほとんどなく、スベンさんに色々聞いてみました。カフェは12年前、2004年から経営しているとの事。前の経営者もデンマーク人で、現在は2代目、親族、友人かは聞きませんでしたが、前代がこの山奥にカフェ、お店を始めたのは今から25年前との事でした。それでこの夏6月12日(日)に25周年記念日を祝うので、時間が空いていたら是非訪れにきてとも誘われました。
スベンさんに、コーヒーと共に、ムンク(Munk,小さい丸いドーナツ)を頼みました。「クドウ、多くの人はティーを注文するよ…日本のお茶もあるよ…」と冗談半分に言われました。ムンクはカステラに似た小さいボールで、ふかした後油でも揚げたのか外側はあぶらっこい味がしました。粉末の砂糖がたっぷりふりかけられていて、それに甘いジャムをつけ食べます。私が頼んだのは、黄色い野いちごのジャムでした。注文した後2階のカフェ憩い場に上がったら、私以外には親子連れかとも思われる女性が2人だけでした。ちょっと声をかけてみたら、スウェーデン語が通じなく、デンマーク人かなとも思ったのですが、名前は若い女性がマルティーネ(Martine)さん、母親と思われる方がヒルダ(Hilda)さんでした。いかにもカラッとした感じの人達で、笑いながら色々話し合っていました。帰り際には私に「バイバイ」と笑顔で声を掛け、ふと春が間近…とも感じました。
1週間程前、中部スウェーデンに住んでいる義兄のところへ家内と4日程休暇に行ってきました。義兄は既に75歳、昨年秋退職、医師だったので普通は65歳~67歳が定年退職なのですが、病院の人手不足もあって長く留まっていました。奥様が数年前に亡くなられ、仕事も辞めちょっと寂しいのではと家内と話し合っていたのですが、本人は散歩に出たり、本を読んだり、また旅行に行ったりと、いかにもマイペースで楽しみながら生活していました。もっとも日中は家内とのおしゃべりで、私は1人で郊外にあるスキー場へと数日通いました。2月の中旬ではまだ学校がスポーツ休暇でもないので、ゲレンデは休日以外ほとんど人もいなくて、思いっきり滑ることが出来ました。誰もいないゲレンデを1人で滑るのは、自然に開放された気分でとても素晴らしい感じがしました。
2016年3月8日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰