第47号 シビックのりんご祭り2014
今年も恒例のシビックりんご祭りが9月27日(土)、28日(日)の両日、スウェーデン南、東海岸で盛大に行われました。多くの野外市場と共に、祭り最大の見ものであるりんごの壁画が飾られていました。今年の画名は「Bee nice」、英語名を直訳すると「ハチは素晴らしい」とでもなるのでしょうか…。画家エンマ・カープ・ルンドさんの説明では、我々が生存を続けるためにはハチとも仲良く生きていかなければいけない、それを簡単な言葉で「ビーナイス」と表現しているのだそうです。
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りんごの壁画は108平方メートルの大きさで、3万5千個のりんごを7万本の釘で据え付けていると記されていました。今年は天気も割と安定していて、壁画は10月18日まで飾られていると、最近のローカルニュースで報道されていました。
我々が訪れたのは9月27日の土曜日、いつもは日曜日に行くのですが、今回は初日に行きました。パーキング場は車が一杯で入れず、さらに海岸線を下り、運動場の方に車を停めました。幸い天気も良く、人混みの中青空を見ながら、ふと津軽りんごは今年はどうだろうか…と思いながら歩きました。
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そして、隣国デンマーク首都コペンハーゲンへとやって来ました。当地マルカリドから電車で35キロ程離れた隣町ヘッセルホルム(Hasselholm)へ、そこで幹線に乗り換え、後は直通で第3都市マルメを経由しスウェーデンとデンマーク国境のオレサンド大橋を渡り首都コペンハーゲンへ、片道2時間ちょっとの旅でした。国境ではパスポートの検査も無く、大橋を渡っている時に携帯電話にデンマーク側のオペレーターに変更されたと連絡が入りましたが、外の風景を見ていないと国内旅行と全く同じです。
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電車から降りると、そこはコペンハーゲンの中央駅、100万都市だけに、田舎からノコノコ出て来た感じがしてしまいました。言葉(デンマーク語)は似ていますが、少し異なり津軽から鹿児島に来た感じでしょうか(?)。人々の服装や態度、駅構内の表示もスウェーデンとは違う印象を受けました。
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ちょっとどんよりした午後、デンマーク名物の赤いソーセージでも食べようかなと思いつつ、駅構内をブラブラ歩きました。構内はレンガのアーチと高いくすぶった天上が特徴の建物で、多くの人々が急ぎ足に歩いていました。ソーセージは諦め、中央駅の南出口から出ました。
向かい側は有名なチボリ公園。夏の期間だけ開いているチボリ公園は、この時期は既に閉まっていましたが、通りからは公園内の塔や丘が見えました。チボリ公園が開業されたのは1850年代頃、コペンハーゲン中央駅が開設されたのと同じ時期です。公園内には古い木作りのジェットコースター等があって、歴史が古く、遊戯場と言うよりレストランや劇場、ステージが多く、人々の憩いの場といった感じです。
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チボリ公園の周りを少し歩くと、公園の西側に「ワガママ」と書いたレストランがあります。日本食のレストランで、ソーセージより日本食が恋しくなり中に入りました。既に午後2時過ぎ、中はガランとしており、外を行き交う人々がウインドウから見られました。メニューから「鶏のどんぶり」を頼んだところ、サラダ用にでも使えそうな生の人参のスライスが盛られていて、デンマーク式日本食かなと思いつつ食べました。ウエイターが幾度か「美味しいですか」と聞きに来て、ウンウンうなずきながらも、ふっと赤ソーセージかハンバーグの方が良かったかな…。と思った次第です。
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2014年10月20日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰