第40号 北欧最大のスキーリゾート地 オーレスキー場
今年の北欧は暖冬でした。2月中旬から南スウェーデンでは春をおもわせるような穏やかな天気が続き、首都のストックホルムでも例年に無い暖冬とも言われました。
3月中旬、北部スウェーデンにあるスキーのメッカ「オーレ(Are)スキー場」へ行って来ました。家族で最後に行ったスキー旅行は2002年ですから、今回は実に12年ぶりです。クロスカントリーなら幾度か滑ってはいたものの、南スウェーデンでも山が無いため、ゲレンデでのスキーは全く滑っておらず出発前はちょっと心配にもなりました。
オーレは、当地マルカリドから約900キロ程北上し、山の多いノルウェーへの国境近くに位置します。冬のリゾート地としてスキーは勿論のことレクレーションの町で有名です。山地からの大きい河と山に挟まれたオーレの町に1800年代終わりに鉄道が開通し、観光客で賑わうようになりました。歴史的には既に1100年代、ヨーロッパ大陸からの巡礼者が通り泊まった所とも言われ古い教会もあります。観光地として知られるようになったのは1700年代からとの事でした。現在、オーレの町には約1400人の住民が住んでいます。冬はスキーのワールドカップ、夏はレクレーション場として栄えています。
そんな歴史あるオーレに3泊4日の予定で、スキーを滑りに夜行列車で旅立ちました。列車は南スウェーデン第三の都市マルメが始発でオーレが終点の週2度往復の特別列車です。長男はマルメから我々と、次女はマルカリド隣りのヘッセルホルム駅から、そして長女は首都ストックホルムで乗り入れ合流します。車内の客室は6台ベッド付きの個室で、全車寝台車でした。16時マルメ出発、17時ヘッセルホルム着、ストックホルムで列車が30分程停車し、出発したのが夜の23時過ぎでした。客車に入った我々は長男とビールで乾杯、手作りのサラダを食べました。
長女が来てレストラン車へと移動し、ビールを飲みながらトランプゲームを楽しみました。深夜0時半頃、客車へ戻りベッドに入り眠りにつきました。翌朝6時過ぎに目覚めると、車窓からの景色は一変、なだらかな山、河、森林、雪に覆われ、春の世界から急に冬の世界へと来た気がしました。
オーレに到着したのは朝7時、早速、駅前のカフェに入り朝食をとりました。早く滑りたいなあーと思う反面、ちょっと寝不足で頭がフラフラ。バスも兼用出来る4日間のスキーリフト券を購入し、予約していたヒュッテへと向かうため、バスに乗りました。
サウナ付きのヒュッテに到着し、シャワーを浴び着替えをしてゲレンデへと急ぎました。ゲレンデ近くで、私と長男はスキーを借り、長女と次女は持参のスノーボードでゲレンデへ。スキーのメッカと言われるだけあって、広大なゲレンデでにリフトの数が70基。ゴンドラ(ロープウェー)もあったのですが、この日は残念ながら山頂へのゴンドラは強風の為、運転を停止していました。オーレ山頂(標高1,420)のオーレスクッタン(Areskutan)は、雲がかかっていて見られませんでした。
久しぶりのスキー。ゲレンデは急傾斜かつゴールまでが遠く感じ、その上、中腹部より上の方は雪が凍りついていて、下半分はザラメ雪で雪質が異なりとても緊張しました。そんな私を尻目に、長女がスノーボードで急斜面を颯爽と追い抜いていきます。私は何とか転ばないようにと…。昼過ぎにはすっかり疲れてしまいました。後で知った事ですが、初日に滑った所は中級~上級者コースで、初心者コースから始めるべきだったようです。午後16時頃にはどっと疲れてしまい、帰り道のスーパーで食料や飲み物を沢山買い込んでヒュッテへと戻り、サウナへ入りました。
夕食後、22時頃にはベッドへ倒れるように横になり、そのままぐっすり眠ってしまいました。翌日から3日間、朝から夕方までオーレのあちこちのゲレンデで思いっきりスキーを楽しみました。
2014年3月25日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰