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第26号 スウェーデンの人気スポーツと新競技場

スウェーデンはスポーツの盛んな国。昔の人は「スウェーデン体操」を知っているかも知れませんが、現代スウェーデンを代表するスポーツといえば冬はアイスホッケー、夏はサッカーでしょうか。日本のナデシコまでいかないまでも、スウェーデンの女子サッカーは世界でも長年上位を保ってきました。男子サッカーも女子チームほど世界上位まではいきませんが、強力なチームです。アイスホッケーもサッカーも、大きな競技場が必要です。ここ数年スウェーデンでは各地に新しい競技場が建てられています。今回はスポーツや競技場について書いてみましょう。

ベクショーにはマルカリドも属するクロノベリ県の県庁がある
ベクショーにはマルカリドも属するクロノベリ県の県庁がある

私の住むマルカリド市から北東へ約110キロ行くと、県庁所在地のベクショー(Vaxjo)に着きます。ベクショーは人口8万5千人、大学の街としても最近では知られています。スモーランド地方の代表的な町で、内陸にあり、耕地は貧しいながらも昔から商業、中小企業の町として栄えてきました。そのベクショーのアイスホッケーチームが2年前からスウェーデンのアイスホッケー最上位リーグ、エリート組のエリテセリエンに入りました。アイスホッケーのエリート組は、ストックホルムやヨーテボリ等の大都会、北スウェーデンのチームが強いのですが、ここ南スウェーデンのベクショーのチーム、ベクショーレーカーズ(Vaxjo Lakers)がエリート組に入り脚光を浴びました。幸いこの2年下位リーグに落下する事もなく、頑張っている様です。

昨年の秋にベクショーレーカーズの活躍によるものか、アイスホッケー場が建てられました。モダンな建物で、その隣には更にサッカー場、室内運動場も建てられてちょっとしたスポーツ競技場村、という感じです。ちょっと余談になりますが、今年新年早々のニュースでは、市がスポーツ競技場村の建設に膨大な費用がかかり、多大の赤字を出したとも聞かれました。

ビーダ・アリーナ(ベクショー)
ビーダ・アリーナ(ベクショー)

マルカリドから南へ140キロ程行くとスウェーデン第3の都市、マルメに着きます。人口は30万人。マルメはアイスホッケーよりサッカーで有名な町です。サッカー好きな人なら、ズラタン・イブラヒモビッチの名前を聞いた事があるのではないでしょうか?現在パリのサンジェルマンFCで活躍している名選手で、生まれ育ったのはマルメです。

マルメ

両親はバルカン半島、かつての東ヨーロッパ、バルカン地方から移住してきました。1981年生まれで6人兄弟姉妹の長男、背丈は195cm。マルメ市はスウェーデンで一番外人の多い町。マルメでの子供時代は、いたずらっ子だった様子。彼の成長したローゼンゴード地区は移民の多い区としても知られていて、多分わんぱくな子供達は一心にサッカーをやって成長したのではと思います。ズラタンのサッカーを見ていると、ボールの扱いが天才的、あるいはマジック的とでも言うのか、その大柄な体にもかかわらずとても上手いので、見ていて驚嘆せずにはいられません。そして試合後の記者会見では笑いつつ、きょとんとした話し方、そのスウェーデン語の訛りは独特で、方言と言うより、マルメの移民者達の間で使われていた話し方ではと思われます。現在ではむしろズラタン語とも呼ばれ、子供達も真似をする程人気のある話し方です。

スウェドバンク・スタディオン(マルメ市)「ニュー・マルメ・スタディオン」とも呼ばれる
スウェドバンク・スタディオン(マルメ市)「ニュー・マルメ・スタディオン」とも呼ばれる

先日、もう大人になった子供達の住んでいるマルメに行ったついでに、マルメ市内のサッカー場、マルメスタジアムを外から見学して来ました。このサッカー場でズラタンはヨーロッパ大陸へ出る前、青春時代をサッカー選手として凄く活躍しました。未だ冬の冷たい風の強い日、ほとんど人の姿は見られませんでしたが、大柄のズラタンがその辺を走っていたのではとも感じました。

マルメ・スタジアム
マルメ・スタジアム

2013年3月29日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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