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第21号 秋のヨーロッパ紀行 上

11月の始め、秋も深まり暗くなった北欧から逃げ出す様にフランスのパリへ1週間程バス旅行に行って来ました。今回はその旅行の様子を書いてみましょう。

当地マルカリド市からパリまでは車で約1500キロの距離、青森からだと広島までの距離位でしょうか?土曜日の早朝6時にマルカリドの国道沿いのスーパーの駐車場に集まり、迎えに来たバスでスウェーデン第3の都市マルメ市へ。マルメのバスターミナルが集合場所で、そこからベルリン、ローマ、マドリッド等へと各都市、目的地への団体旅行バスが出発します。

団体旅行バス

私と家内の乗ったパリ行きは、50人程の乗客でほぼ満員、丁度学校の秋休み1週間とも重なり、子供連れの家族も目立ちましたが、約半数は60歳以上とみられる年金者でした。バスに乗り空いている席を探し、周り2、3組に「こんにちは」と挨拶。長期バスの旅に備え、雑誌や飲み物を用意し、枕を持って来ている人もいました。全員座った頃に、今回の旅に付き添うガイドのマリアさんが自己紹介。まだ30歳位と思われる、旅行慣れした女性です。挨拶をした後に今回の旅行の日程、訪問地、さらにバスの座席の交換等の説明がされました。

車窓からの景色
車窓からの景色

マルメ出発は朝の8時半、すぐオレサンド橋を渡り隣国デンマークへ、バスは更に南へ向けて走りました。デンマークは山の無い平坦な国、最高地は海抜約100メートルとも聞いています。デンマークの高速道路はスウェーデンと同じく無料で、制限速度は100キロから110キロ、2車線が普通で、土曜日だからかそんなには混んではいませんでした。デンマークに入り2時間半くらいでフェリー港、ロッドビー(Rodby)へ到着。ドイツへのフェリーは約30分置きに出ており、15分程待って、大型のフェリーへ。ドイツまでの船旅は45分、バスから降り船内へと入ると、中は大変混んでいました。おやつや飲み物、ビールを買い入れ、更にデッキへと上がりました。

フェリーのデッキ

当日は天気も良く、デッキではあちこちで人々が楽しそうに会話をしている姿が見られました。広々とした海峡、後方にデンマーク、そして遠く前方にはドイツ、また貨物船が数隻交差して行くのが見られました。ちょっとした船旅、早速家内とビールで旅の成功を願い乾杯、数年ぶりのヨーロッパ大陸訪問へと、広々とした海を見て解放された気分にもなりました。

ドイツへ続く高速道路
ドイツへ続く高速道路

ドイツに到着後、すぐにバスは昼食へと近くの町の予約されていたレストランへ。バス旅行ではレストランを探す心配もなく楽な反面、自ら散策する楽しみがないので、チョッピリ物足りなさもあるかもしれません。昼食後バスはアウトバーンを南下、更に西に向いました。アウトバーンは基本的には速度制限が無く3車線、4車線が普通です。追い越しの中央車線では時々乗用車が凄いスピードで走って行くのが見られました。途中高速道路の休憩所で2度程止まりトイレ休憩や飲み物を購入。休憩所のトイレは有料で、ドイツはユーロ圏なのでユーロの硬貨が必要です。5年程前まではトイレはチップ制だったので、払わなくても良かったのですが、今回の旅でちょっと様子が変わったのかなとも思いました。

オランダとの国境近くの小さい町ヘン(Hen)で一泊。ドイツのホテルは部屋も大きく綺麗で豪華にも感じました。ホテルに着いたのは夜の8時、その後夕食。バスの長旅でさすがに疲れ、夕食で白ワインを飲みぐっすり眠りました。翌朝は早朝7時の出発、朝食をその前に済ませなければいけないと、疲れと共に翌日の事も考えながらの就寝でした。

パリへのバス旅行、次号に続きます。

2012年12月5日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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