高地のりんご栽培を聞いてみた(第二回)
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青森県は言わずと知れたりんご生産量日本一。特に津軽地方はりんご栽培が盛んで、郊外まで行かなくともりんご畑を目にすることができます。
そんなりんご王国ですが、一口にりんご栽培と言っても、畑の地形や気候、品種によってかける手間ひまは生産者によって変わってきます。
今回りんご大学では、弘前市のお隣 大鰐町の高地(駒ノ台地区 標高約300m)でりんごを栽培している生産者さんを訪ね、高地ならではのりんご栽培や苦労などをお聞きしました。
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前回(第一回目)は積雪の多さや寒さで実が小ぶりになるなど、高地栽培での苦労をお伝えしました。今回は、高地特有の気候が良い影響を与えていることもあるということをお伝えします。
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ここで弘前と碇ヶ関の最高気温と最低気温を見てみましょう。下記の表1、表2を見ますと標高の高い碇ヶ関の方が最高気温も最低気温も低いことが分かります(駒の台の観測データが無いため碇ヶ関のデータを使っています)。
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表3ではその寒暖差をグラフにしてみました。弘前と碇ヶ関の気温差を見てみると、標高の高い碇ヶ関の方が寒暖差が大きく、この差が大きいほど味が濃くなり色付きが良くなります。
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さらに駒の台(標高300m)は碇ヶ関(標高135m)より標高が高く、寒暖差はより大きくなるのです。気温も駒の台の方が低く、全体的に小ぶりになりますが実がしまるということが言えるでしょう。また、気温が低いと酸味が保たれ、実がしまることと併せて貯蔵性が良くなります。
去年の秋に収穫したりんごが現在もまだ残っていました。これは収穫後の12月頃から家族で食べる分を倉庫によせているもので、固さや味はどうなっているのでしょうか。
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高地のりんごは全体的に小ぶり傾向ですが、その反面、貯蔵性がよく味の濃さにも定評があり高原りんごとして人気があります。次回は、高地特有の作業の様子などをお伝えいたします。
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カテゴリ:今のりんご園の様子