第3回 ツル割れりんご「ツル割れのできる要因」
どうして「ツル割れりんご」になってしまうの?
~農業は自然との闘い~
第3回は、「どうしてツル割れになるのか」をご案内いたします。
りんご生産者の方々は、良質なりんごを皆様にお届けするために、
収穫の時期までさまざまな作業を行います。
りんごの枝の剪定から始まり、交配、摘花、摘果、袋かけ、除袋、葉摘み、玉まわしなど。
しかし、いくら気をつけても防ぎきれないのが自然の影響です。
台風、雹、霜などの自然災害のほかに、雨による影響もあります。その雨がツル割れの発生要因に関与していると考えられています。
主な自然現象の要因として、
・りんごの開花期の気温が高く、開花が早まった年に多い。 ・果実肥大時期の降雨が多い年(特に夏場)に多い。 |
が考えられています。
私の父も、夏場の雨が続くと「今年はツル割れが多くなりそうだ」と言っていたことを思い出します。
生産者の方々は長年の経験から、予測をすることはできていたのですね。
地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所(旧りんご試験場)では、平成20年産の「ふじ」のツル割れ発生要因について、次のように報告しています。
「平成20年はりんごの開花が早まったことで果実生育期間が延長し、果実が肥大しやすい素質を持った上、8月中・下旬のまとまった降雨が果実肥大を促し、内部裂果の発生が増加した。その後、内部裂果の亀裂が拡大して外部裂果へと移行し、外部裂果が多発した。 このように、開花が早く、果実肥大期(特に夏場)の降雨量が多い年は、ツル割れの発生が多い。」 |
下の表でわかる通り、平成20年8月の中・下旬に降水量が多かったため、平年のりんご肥大量より大きく成長が進みました。それによりりんご内部裂果の発生が増加しています。
平成20年における旬別降水量と果実体積肥大量の推移(旧りんご試験場データ)
りんご研究所では、ツル割れ果の発生原因を特定して、良品物の収穫に対応できるように、ツル割れ防止対策について効果の安定性を確認する試験を行っています。
現段階では有効な防止対策を講じることはできませんが、気象の影響など少しずつわかることによって、りんご生産者の予測に対しての対応策を研究するとともに、皆様の食卓によりおいしいりんごを届けることができるようにみんなで頑張っています!
おいしいりんごを収穫できるように、
日々りんご生産者は努力しています。
それでも、
「ツル割れりんご」や「キズのついたりんご」
などのワケありりんごも販売されます。
すべて、丹精込めて栽培されたりんごです!
おいしく召し上がってください♪
|
3回にわたり、「ツル割れりんご」についてご案内いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
今後も、りんごについていろんなご案内をいたします。お楽しみに!
前回のページはコチラから ↓
カテゴリ:特集