生きもの語り「マメコバチ」第二回
みなさん、お久しぶりです。先々週では、皆さんに私たちマメコバチの特長と仕事をご紹介しましたが、今日は、私たちのマンションと私たちのお祭り「マメコバチ感謝祭」をご案内します。
私たちのマンション
下の写真をご覧ください。りんご園には、葦(あし)の茎が詰まったりんご箱が積み上げられた小さい小屋が見られます。これが私たちのマンション(巣)です。
そこに、私たちは、葦(あし)の細長い穴に花粉を運んで花粉団子を作り、それに子供を産みつけ、隔壁を作ります。このように、花粉団子、卵、隔壁、花粉団子ということを繰り返します。
天気や体調などがよければ、1日3~4粉の花粉団子を作ることができます。
この一連の作業はもっぱら私たち雌が行います。
もちろんこのマンションは、りんご園の主がマメコバチに関する知識を学んで葦やカヤで作ってくれたのです。
また、鳥から私たちを守るために、巣のまわりにはネットを張ってくれます。
マンションがあまり目立たないと、誤ってぶつかりそうなので、ブルーシートで囲んでくれました。雨対策にもなりますので本当に一石二鳥!
私たちの祭り-マメコバチ感謝祭-
かつて農家にとって大変な作業だった授粉作業を、私たちに任せるようなったことで、生産者は労働力的に助かったため、青森県北津軽郡板柳町では、毎年5月8日をマメコバチの日として、「マメコバチ感謝祭」が開かれます。 マメコバチたちにとって、この感謝祭は「励ましの会」のようで、感謝される度に、今年も頑張ろうという気持ちになります。 |
りんご園に住んでいる私たちマメコバチは、りんご園とともに生きてゆき、生産者の方に大切にされ、仲良く付き合っています。
今年、平年より気温の低い日が続きましたが、授粉作業は無事に終了しました。その後、生産者の方々が摘花や実すぐりで頑張っている姿を見ると、今年も美味しいりんごがたくさん実るに違いないと思いました。
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