表面が光ってベタベタしているりんごを見かけたことはありませんか。
ワックスを塗っていると勘違いする方もいるようですが、それは誤解です。
これは「油あがり」と呼ばれる自然現象で、体に害はないのです。
では、その「油あがり」について、Q&A式でご説明いたします。
ベタベタとしたものの成分は一体何でしょうか?
りんごの表皮は、透明で滑らかなろう物質の膜で覆われています。りんごが熟するにつれて表皮細胞からリノール酸やオレイン酸という脂肪酸が分泌されます。これらの脂肪酸が、そのろう物質を溶かすために、表面が光りベタベタした状態になります。ですから、油あがりは、食べごろになったサインでもあります。
なぜ、りんごの表面にろう物質の膜がつくられるのでしょうか?
りんごの表面につくられるろう物質の膜には、水分の蒸発を抑えたり、病原菌の侵入を防いだりする重要な働きがあります。この働きによって、果実の新鮮さを保っているのです。
人には害のない物質でしょうか?
これらの物質は、りんご自身が作り出す自然のものですから、人に害はありません。
中でもリノール酸とオレイン酸は不飽和脂肪酸(※)と言われ、栄養価が高いといわれています。(※ 不飽和脂肪酸…主に悪玉コレステロールを減らす働きがあります)
すべてのりんごに「油上がり」が見られるのでしょうか?
油上がりは品種によって差があり、特に「つがる」「ジョナゴールド」などによく見られます。
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